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第5話 

そうか、彼も七年も一緒にいたと分かっていた。

 私は両手をテーブルに押し付け、上から彼の目を見つめながら言った。

 「気持ち悪いから、勘弁してくれ。あなたと一秒でも長くいると、吐き気がする」

 06

 七年間の思い出が詰まった家だった。ここにある家具は、すべて彼と一緒に選んで配置したものだった。

 しかし今、これらを見ていると、思い出すことすら嫌悪感を覚えた。

 私はその動画を南広志に見せなかった。

 その動画を切り札として、温存することにした。もし財産分割で彼が邪魔をするようなら、その映像を弁護士に渡すつもりだった。

 彼の不貞は、私にとってそれほど辛いことではなかった。

 離婚を切り出された瞬間、私の彼に対する感情は完全に消えてしまったかもしれなかった。気持ちが全く揺れ動いていなかった。

 私は体裁がよい人間で、こんな男のために自分を無様にするつもりはなかった。

 しかし結局、私たちは円満に別れることはできなかった。

 離婚の決断から三日後、柳詩織の夫が私たちの家を襲った。

 彼は司湊斗という名の大金持ちで、地元の有名企業家の息子だったが、手段は非常に悪辣だと聞いていた。若干年前、打撃や破壊を用いて多くの競争相手を強引に抑え込んだ。

 彼はどこから南広志が柳詩織のことに手を出す決意を固めたと聞いたのか、わからなかった。その夜、彼はチンピラを集めて、家の窓を壊しに来た。

 その時、私は主寝室で寝ていて、南広志は客室に追いやられていた。

 家の所有権が決まるまで、彼が財産を移転するのを防ぐために、私は動かないつもりだった。

 事件が起こった瞬間、いくつかの割れたガラスが部屋に飛び込み、私をかすめて傷つけそうになった。

 私は驚いて叫んだ。

 南広志はすぐに駆けつけ、迷わず私を抱きしめて、割れた窓の前に立ちはだかった。

 そのチンピラたちは、家の中に何個かの赤レンガを投げ入れ、南広志の頭にも当たった。

 私は震えながら、下を向いて自分の手を見た。そこには南広志の血がびっしりと付いていた。

 そのチンピラたちがすぐ逃げた。

 南広志はずっと泰然としていた。

 混乱が収まると、私は震えながら警察に連絡した。その時、南広志は服を着て出かけようとしていた。

 「南広志!どこに行く?」私は大声で叫び、声が割れて響いた。

 南広
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